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ひとり間伐 その弐


分厚い氷がはっている里山。

そんな朝に近所のおじいちゃんは、竹の整備に汗と鼻水かいていますー

 

まぁ、いったん作業すれば寒さは気にはなりませんからね。

ここのトコロは、火燃しか、体を動かす作業で冬を凌いでいるんです(笑)

 

寒波が居座る今週も、まだまだきこりの作業が続きそうーです。

 

 

南側のスギ林エリア

ここはこの敷地最大の杉林エリアで、ボチボチと整備してあるのですが、斜面で何本か日陰をつくる小径木が気になりますので、今回はそこを間伐していきますー

直径20㎝以下なので、おひとりパック(ロープ・脚立・竹棒)もっての作業。

 

ただ、今回抜くのヒノキたちは、「倒れたい」方向が真逆ですねー

本来は倒れたい方向に伐倒するが最も安全ですが、いつもそうとはいきません。 

 

切り方によっては、そのまま上手く倒れなくもないのですが、

やっぱり基本に戻ってクサビを使って倒します。

 

樹長15m、追い口深さ15㎝、クサビ厚2㎝とすると、三角関数で計算すると。。。クサビを打つことで梢が大体2m移動するのですね。

 

そうなんですよ! 針葉樹ですと大分重心が傾いていても、クサビで重心を起こして狙った方向に倒せることが多いんですね。

 

ただ重心の見方は枝葉も関係して、しっかり枝葉の向きや量も考慮する必要がありますから、ソコは経験やカンが問われるので慢心は禁物!

5本ほど抜いたのですが、あまり見た目では変わりませんかねー(苦笑)

それでもこのエリアの小径木は大方抜いたので、間伐はこれにてひと段落です。

 

 

西側の杉エリア

この西側は冬に北風が入り込む場所で、当初防風林のために杉が植えられたのでしょう。育った杉が密集していたので、何本かを残して皮むき間伐してあります。

皮むき間伐では、ふた夏過ぎると乾燥が大分完了します。まだひと夏分なので半分くらいしか乾燥が進んでいませんが、今回はこのスギたちを倒します。

このように腐食菌が入り込んで、(当初から)樹皮がボロボロになっています。

比較的このエリアに多いですねーDNA的ということもありますが、この西のエリアは菌が好みやすい環境なのかもしれません。

 

この様な木の伐採は慎重に行います。(いつも慎重ですが・笑)

ハンマーの音で空洞を見分け、刃の入れ方、ツルの大きさなど考えます。

 

腐っている所はチェーンソーから出るオガクズの色が変わるんです。それは今まで生木の場合で、このように皮むき材(ある意味乾燥材)だとオガクズの違いが識別できませんでした。この新たな発見は皮むき材を切る際の注意点となりました。

 

というのも、実際、倒した際に少し方向がズレたのですね。

そんで、炭焼き炉に直撃して、コンクリートが割れちゃいました。厚さ20㎝ものコンクリート塊の破壊ですからね、かなりの衝撃ですよねー 林業は労災保険率メッチャ高いのがわかります(汗) こんなことも失敗からの学びです(笑)

 

何本か伐倒してキレイになってきたのですが、日当たり良いこのエリアの杉は枝葉がタワワに実っています。この際に、伐木しなかった木の枝打ちをやってみます。

 

本来は、先日教えて貰ったブリ縄を絶好の機会なのですが、

ちょうど右手中指を傷めてるので、何か別の方法を考えねばなりません。

手持ちの道具を探して。。。ヤッパ、ハシゴですかね(笑)

ハシゴで登って、手に届く枝を根元をすこし残して切り落としていきます。

次はその枝をハシゴ代わりに登って、さらに上の枝葉を切り落としていく。。

 

枝をつたって登るこの方法、そう言えばサルが木登りでやっていますねー

かなりワイルドですがケッコウ使えました(笑)

ナカナカの方法ですが、最大の欠点は、先ず生きている枝があるところまで結構高く登らなくてはいけません!また枯れている枝を掴むと落下してしまいます。

 

今回はハシゴで登れる低い位置までの作業をしましたが、それでも結構なスリルを味わえました(笑) 次回はブリ縄いきたいですね! 

 

当初、竹がヒドクて荒れていたこの西のエリア。

ホント、自然とは整備を重ねていくことに変わってくものですー

こうして過去の写真と見比べてみると、変化が良く分かります。

 

当時は夢中になって竹林整備に格闘してましたが、あれから今では、いささか余裕がでてきたでしょうか?!(笑) 作業してイイ場所ダメな場所、切る木残す木、またそのタイミングなど、いろいろと里山の状況を把握できてきました。

切るのは容易いですが、育てるのは大変なことですから。。

 

里山作業では「いかに残すか」

当時を振り返り、これがどのくらい大事かを自然から学んだ月日を感じています。